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2011年6月22日 (水)

大前研一『大前研一 洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉』

Twitterの「大前研一bot」が評判がいいので、そこでのフォロワーの反応を勘案しながら作られた本だそうです。これはいいアイデアですね。編集者は大変でしょうけれど。

でもまあ、こうやって一冊にまとまった本というのは、それとして実に重宝します。紙の本というのはやはり手にとってみるということと、一覧性があることが強みです。「座右の書」というのは電子書籍では考えにくいところがあります。辞典類と一緒に手近なところに置いて、何気なしにページをめくるというのが一種の快楽なのです。

そういえば、詩集なんかもそうやって手元においてますもんね。私にとって折にふれて読み返したい詩人に田村隆一と荒川洋治がいますが(生前にお会いしたことのある玉川鵬心さんの詩集もそうです)、電子書籍の詩集というのはやっぱりしっくり来ません。

さて、本書で印象に残った箇所ですが、こんなのがありました。

「私が長年やっているのは、何かを考えるとき、大きな紙に手書きでメモをとっていくことである。そのとき、紙の左下から書いていく。左目を主に使うことになるから、右脳が刺激される。しかも常に、右上に白いスペースが広がっている。それを眺めると突然ひらめくことが多い」(95頁)

今度やってみます。

今身近な日常の出来事をきっかけに社会学的問題を考えるという本を構想中です。これはいいかもしれません。

あと、こういうのもありました。

「経営コンサルタントを37年やってきた私が痛切に感じるのは、もっとも重要なリーダーの役目は、まず「方向」を決めること、次が「程度(スピード)」を決めることだ」(164頁)

まったくそのとおりですが、そうじゃない企業は少なくないと思います。お役所なんかは当然この反対のベクトルですが、公的な補助金を貰って官僚化している産業界も同様の病に侵されています。農業なんかとことんダメになってしまいました。平均就業年令がついに65歳を超えています。補助金もらうためだけにほそぼそとやっている状態です。

もちろん話は農業だけにとどまりません。学校商売なんかも典型です。しかし、政府の補助金目当てに目の色を変えるというのは何とも情けない話です。先生に威厳がなくなるのも道理です。

みんなもっと自立しなくちゃです。そして、その点でも著者から学べることはたくさんあります。

(日経BP社2011年1500円+税)

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