柳澤桂子『永遠のなかに生きる』
美しい本です。文章が美しいだけではありません。画家福井爽人の画集としても楽しめる本です。著者お気に入りの画家だそうですが、なるほど自然の事物が丹念かつ斬新に描かれた日本画です。日本画の技法や素材が十分に生かされている気がします。
読んだ本は文庫版なので、単行本を探して、もう少し大きな絵を楽しみたいと思います。それにしても、こんな美しい本を作った編集者もさぞかしやりがいがあったことでしょう。
本の内容は前半が自然と生命あるいはそれを支える死の歴史で、後半は折にふれて著者がいろいろなところに書いてきたエッセーからなっています。しかし、寄せ集めのエッセー集という印象ではなくて、書き下ろしのようにまとまった内容です。たぶん普段から著者が一貫して考え続けているテーマがあるためでしょう。
私も将来自分の本を、気に入った画家の挿画と気に入ったデザイナーの装丁で出せたらいいなあと思います。画家もデザイナーもすでに勝手に決めてあるのですが、問題はそれに見合うだけの内容が書けるかということです。まだまだ修行が足りません。
それはそうと、とにかく一家に一冊置いておきたい本です。単行本を注文します。
(集英社文庫2009年600円+税)
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