橋爪大三郎×大澤真幸『ふしぎなキリスト教』
これはいい本です。入門書としてもいいですし、キリスト教信仰をめぐる知識の整理にも最適です。クリスチャンにも読んでもらいたい本です。
とにかくキリスト教食わず嫌いの日本の風土で、信仰の立場からではなく、わが国の一般の人びとの視線からキリスト教徒は何なのかということを可能な限りわかりやすく説くと同時に、それに鋭い社会学的分析を加えています。
基本的には大澤真幸ができるだけ素朴な疑問を提出し、橋爪大三郎が丁寧かつ明快に答えるというスタイルですが、大澤真幸の質問も時折非常に鋭く、また、奔放で答えにくいものがあるのですが、これに橋爪大三郎が当意即妙の見事な答えを与えているように見えます。この即興性のため、本書全体が知的に引き締まった感じになっています。
で、やはり橋爪大三郎の大胆かつ精妙な説明には感心させられます。ユダヤ教徒キリスト教が「ほとんど同じ」という答えを出したりするのは、実は丁寧に聖書を読み込んでいないと出せない答えですが、そのあたり見事だと思います。
イスラエルの歴史から旧約聖書、新約聖書、中世ローマ教会からプロテスタンティズムまで、これ一冊で概要がわかるのはありがたいですし、巻末の参考文献を手がかりにさらに自分で読み進めていくこともできます。
いい本でした。一家に一冊どうぞ。
(講談社現代新書2011年840円+税)
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