マックス・ウェーバー『古代ユダヤ教』(下)
この下巻では特に預言者についての洞察が素晴らしかったです。印層的な箇所を備忘録をかねて引用しておきます。
「『旧約聖書』の全内面的構造なるものは予言者の信託によるこの方向づけなしには考えられないのであり、そして、ユダヤ人のこの聖書がキリスト教徒のそれにもなったことによって、また、ナザレの人イエスの使命についての全解釈が、わけてもイスラエルに対する古いもろもろの約束によって規定されたということによって、この巨人どもの亡霊は幾千年を越えて現代のただなかにまで入り込んでいるのである」(799-800頁)
また、本書では旧約と新約との間に使われている言葉や概念が、特にイエスの言葉が旧約の預言者たちのそれをふまえていることがあらためて確認されます。橋爪大三郎がユダヤ教徒キリスト教は「ほとんど」同じという発言をしていたのもこの間の事情によるものだったのだな、と納得がいきます。
それにしてもユダヤ・キリスト教というのは他に類例のないユニークさを備えた宗教だということがよくわかります。あらためて教えられることが山ほどある本です。言及されている旧約聖書の箇所を逐一確認しながら読み直す必要がありそうです。
翻訳についてはすでに触れましたので、別の要望を書いておきます。言語カタカナ表記された特殊用語が頻出するので、用語索引をつけてくれると助かります。
(岩波文庫1996年770円)
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