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2011年8月13日 (土)

渡部昇一『日本人の品格』

藤原正彦『国家の品格』以来品格と銘打った本がたくさん出ましたが、これは藤原本よりも話題が豊富で内容の濃い本です。政治的立場は保守本道のような人ですが、これだけ日本文化と西洋文化のことをよく押さえている人は他にいないので、毛嫌いせずに読むと得るところがたくさんあります。

本書であらためて教えられたことを備忘録をかねて挙げておくと、
・神社には皇室から見た位がつけられていた
・西行の歌が本地垂迹説を象徴している→桜への思い
・江戸時代にオランダから時計が入ってきたのをまねて直ちに和時計を造ってしまう
・幕府の直轄地では代官が藩経営に懸命にならないので、博打打ちが登場するようになる
・フィリピンで自分に勝った本間中将を、日本敗戦の後すぐに絞首刑にしたマッカーサー
・大和魂の根源にあるのが、男女の恋愛の情
・天皇家を常に支えてきた藤原家の慎み深さ
・雛人形は平安朝文化の再現である
・教育勅語成立事情
・敗戦で得をした戦後左翼系学者の戦前の行状
などがあります。

そのほかにはおなじみの東京裁判批判などがありますが、これも著者の立場がコンパクトにまとめられていて、知っておいて損はないと思います。

(KKベストセラーズ2007年743円+税)

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