高山正之『「官僚は犯罪者」は世界の常識』
以前何年かにわたって天下り官僚を観察する機会があったので、なるほどねー、と思うところがたくさんありましたが、本書は官僚の無能さと小狡さの淵源を明治維新にまでさかのぼって説明していて説得力があります。
要は薩長の足軽が政権を取ったところから始まるわけです。ただ、最近はかつての足軽にさえもあった国家意識がまったくなくなっているので、余計その特徴が際立つようになっているようです。
わが国をダメにしている残りの二つ、つまり学者とジャーナリズムのいいかげんさについては、連載媒体の字数制限もあって本書ではより詳しく描かれているように感じますが、まあ、著者の他の本で読んだことはある話題でした。
本書はやはり第1章の「明治期に見る『寄生虫』の起源」が光っています。日本の官僚は優秀というのは都市神話に過ぎないと断言されていて、素敵です。ミスター円とか呼ばれている人も著者が言うようにあまりにも中身が薄すぎますから(大学の先生としてならごまかせますが)、後は推して知るべしなのかもしれません。
(PHP2010年1,400円税別)
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