佐藤研『聖書時代史 新約篇』
旧約篇と併せて聖書の時代背景が実によくわかる本でした。叙述のスタイルは決して堅苦しくなく、イメージをよく喚起してくれて読みやすかったです。歴史ってやっぱり文章がよくないと読めませんね。
聖書の同時代のローマ史が、とことんひどい悪や残酷さに満ちた歴史で、クラウディウスとかヘロデとかネロとか、今までぼんやりとしかイメージできていなかった皇帝たちが、キリスト教徒の関わりの中で今までよりもはるかに鮮明に脳裏に焼き付くようになりました。いやー、おっかないですね。
こりゃあ今まで読まずにすませてきた塩野七生の『ローマ人の物語』も、そろそろ観念して読み始めなくてはならなくなってきたようです。
イエスの弟ヤコブがどさくさに紛れて最高法院により殺された話や、結果的にキリスト教成立に大きな影響を与えたパウロの生涯が読了後も心にずしりと残っています。
(岩波現代文庫2003年1100円+税)
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