池田信夫『ハイエクー知識社会の自由主義』
ハイエクの美点を鮮やかに取り出して、コンパクトにまとめられた好著です。さまざまな思想家の言わんとするところを3〜4行で言い切ってしまえる著者の力量には感心させられます。
以前から著者の経済学説の正確な理解については感服していましたが、著者の関心は経済学だけにとどまらず、社会の森羅万象に目配りが及んでいて、文献の裏付けも確かなので、本当に勉強になります。
巻末の参考文献も有用ですが、詳細がウェブ上に掲載されているのもありがたいです。今後の読書の目安にしたいと思います。
本書で感心したのは、ハイエクの盟友でもあったマイケル・ポラニーを著者が高く評価しているところです(65-66、194-195頁)。実際、ハイエクの同時代人の文献を丹念にたどっていくとポラニーという創発地点に行き着くところがあるのですが、この点で著者が単に勤勉なだけでなく、社会理論に対するセンスが極めて優れていることがわかります。さすがです。
(2008年PHP新書700円税別)
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