桂文珍『落語的笑いのすすめ』
慶応大学での半年の講義が元になった本です。慶応大学には一度だけ栗本愼一郎先生の講演を聴くために遊びに行ったことがあります。シンポジウムみたいな形式で、他に糸井重里や高橋章子なんかもいましたね。1980年代のことです。
あの慶応での講義かと、ぼんやり当時の様子を思い出しながら読むのもいいものです。ハーバードで白熱講義をされても、行ったことがないのでもう一つイメージが湧きませんし。でも、いつか著者にはハーバードでも爆笑講義をやってほしいと思います。世界平和のためにも。
さて、サービス精神満点な著者だけに、本書も笑いが満載です。授業でも使えそうなコネタもたくさんあって、参考になります。落語という芸能の歴史についてもいろいろ興味を惹かれました。落語の歴史というと江戸文化の歴史でもありますが、お笑いのネタとしての古典文学ということでいうと、竹取物語から笑いが満載だということは知りませんでした。
また、あらためて宇治拾遺物語や今昔物語の笑いにも興味を惹かれました。これはちゃんと読んでおかなければ、人生大きな損失をしそうな気がしてきました。それと、文珍本人の講座もいいですが、何よりも高座の方を一度(と言わず、何度も)聴いておかなければいけませんね。
(新潮文庫平成18年514円税別)
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