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2011年12月 7日 (水)

池谷裕二『記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』

「へぇー」と感心させられることがたくさん書かれています。脳や記憶についていろんなところでいろんなことが語られていますが、本書でどういうことが科学的で、またどういうことが科学的裏付けがないかということがだいたいわかると思います。

以前から、脳の神経細胞は死滅する一方だとは聞いていましたが、その神経細胞は年とともに減っては行っても、「神経回路は年齢を重ねるにしたがって増加していくのです。この事実は、若い頃よりも歳をとったほうが記憶の容量が大きくなるということを意味しています」(187頁)とあります。

「歳のせいで覚えが悪い」という嘆きは著者によれば大変な間違いで、「そういう人は単なる努力不足であるように思います」(同頁)と手厳しい。でも、そうなんでしょうね。私もハングルをとりあえず継続して勉強していますが、放送を繰り返して聴くと、いやでも覚えるところがあります。努力が足りていないとなると、素直に努力するというのが正解でしょうね。

著者が本書を書いたとき30歳だったそうで、この若さでこれだけわかりやすく、かつ嫌みのない本を書けるというのには驚かされます。俺って頭よすぎて困っちゃうもんね、みたいなところが全然ないのがすごいです。さすがこの分野のトップランナーだけのことはあります。本当に優秀な人というのは、こんな風にさっぱりしているようですね。

(講談社ブルーバックス2001年980円税別)

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