カール・R・ポパー『開かれた社会とその敵 第二部 予言の大潮』内田詔夫・小河原誠訳
第二部です。標的はプラトンからヘーゲルおよびマルクスへと移ります。スタンスは同じように単純なので、感想も変わりません。知識人同士でどうぞやり合ってくださいという気持ちになってきます。
もちろん政治的スタンスはポパーが圧倒的に正しいと思いますが、どこかで、それってふつうでしょ、とふつうのおじさんの感覚からつぶやいてしまうところがあります。ユダヤ人知識人のある種のスタンダードで、典型的な政治的態度だと思うからです。
それって私も同じなんですけどね。ただ、論敵に対する姿勢が「駄法螺屋フィヒテといかさま師ヘーゲル」(56頁)とののしるような感じになると、あまりいい感じはしないだけではなく、やはり、彼らの人気を支える人たちの中にも何かの形で真理に触れるところがあるのではないかという、自説への反証可能性が開かれていないような気がします。
昔、福田恆存が、批判する相手に対する敬意と愛情がない批評は結局うまくいかないと自省しながら述べていましたが、そういうことに尽きるのかなと思います。
なお、部分的におやと思うところがあったのは A.Kolnai の本からの引用でした。面白そうなので、この人調べてみます。ハンガリー系かなあ。
(未來社1980年3500円+税))
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