朱川湊『本日、サービスデー』
どれも意外性に満ちた面白い短編集です。表題作だけは多少長いので、中編小説という感じでしょうか。どれも印象に残ります。
著者は「ノスタルジックホラーの名手」とか言われているので、あんまり怖すぎるとちょっと敬遠してしまいますが(いつかは読むと思いますけど)、本書は帯に「心がほっこりと温まる粒選り作品集」とあったので、安心して読みました。
そして実際、この文句に偽りなしでした。一つだけあまり「ほっこり」とはしない作品がありましたが、ま、そういうのもありでしょう、って感じです。
個人的には最後の短編で主人公が三途の川を渡り始めたところの描写がしみじみとしていて結末と共に強く印象に残りました。表題作にはあ、なるほど、こう来たか、という意外性があって、感心させられました。
あんまり具体的に話すとネタバレになるので、これくらいにしておきます。文庫新刊です。旅のおともにいいかもしれません。
(光文社文庫2011年571円+税)
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