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2012年4月19日 (木)

モルナール・タマーシュ『語る神 モルナール教授との対話』聞き手:ヤーライ・ユディト

モルナールは1921年にハンガリーに生まれ、1946年に祖国を出て、ベルギーそしてアメリカへと渡ります。1949 年からアメリカの大学で教鞭をとり、最後はエール大学教授。その後、体制転換後のハンガリーにもたびたび帰国しては大学で教えていました。略歴と著書の部分訳は私のホームページにも記しておきましたので良かったらご覧下さい。

本書はインタビュー集ですが、モルナールは聞き手のヤーライ・ユディトのかなり突っ込んだ質問にきっちりと答えていて、彼の立場を理解するのに役に立ちます。カトリックの立場を公言している哲学者ですが、本当にそのとおりの内容です。読んでいてまず頭に浮かんだのはG.K.チェスタトンで、それから、法哲学者のホセ・ヨンパルト先生です。

特に神の「祝福」を信仰の中心に置くところがそうです(40頁)。チェスタトンも、まず何よりも神の祝福に対する感謝だというようなことをどこかで言っていました。霊と肉の二元論も、肉のほうにも悪の根源として排斥するのではなく、霊的な意義を認めていて、何事にもポジティブなカトリックらしいなと思います。

本書を読むのは二度目ですが、最初に読んだ時のことをほとんど忘れていました。諸外国語で40冊以上の著書がある思想家ですが、わが国ではほとんど知られていません。どの著書から紹介しようかと思って迷っていますが、本書を読んであらためて彼のユートピア批判についての本にしようかと考えているところです。

最近ようやく抱えていた翻訳の仕事から解放されそうですので、何かまたコツコツと訳してみようかという気になっています。今までの翻訳は先の私のサイトにありますので、興味のある人は覗いてみてください。

(Kairosz, 1200Ft)


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