渡部昇一『不平等主義のすすめ 二十世紀の呪縛を超えて』
2001年の本を古本屋で見つけました。小泉内閣がスタートしたばかりの頃の出版ですが、著者の政策提言は古くなっていません。状況は民主党政権になりさらにひどいことになっています。
それはともかく、本書に感心させられたことや教えられたことを以下に挙げておきます。
・第二次世界大戦で日本の戦局が悪化したときでも、朝鮮半島や台湾において植民地独立運動が起こらなかったこと(16頁)
・ポル・ポトはフランス語ができる人だけでなく、メガネをかけている人も「メガネをかけているのは不平等だ」と言って殺した(44頁)
・『古今集』より前に漢詩の勅撰集が数点出されていたこ(89頁)
あとは次の箇所を引用しておきます。
「日露戦争以後、日本のエリートコースは学校秀才に固定化され劣化した。狭い範囲で特定の利権と結びつき、外部の能力ある者を排除する力学がはたらくようになった。脇からは決して入れないという特権階級的体質になったために、そこでは互いに庇い合う関係にしかなり得ず、そうしたエリートの群れが社会主義的な手法によって国家統制をした。その残滓はいまだにこの国を蝕んでいる」(175-176頁)
国家だけでなく、大企業・大組織もそうです。それどころか今日ではもはやわが国の小さな組織にいたるまで、どんどん官僚化してしまっています。これと闘うのはほんとうに骨が折れます。
(PHP研究所2001年1,300円+税)
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