山田昭男『日本でいちばん社員のやる気がある会社』
社員のやる気を引き出し、能力を十分に発揮させることを第一に考える会社があるなんて、夢みたいな話ですが、あるんですね、そんな会社。それも年商240億円ですよ。以前テレビでも見たことがありましたが、岐阜の未来工業がそれです。
ここまで社員を信じると、社員もこたえるようになるんですね。しかし、ふつうの経営者はここまで勇気がありません。むしろ猜疑心の固まりになって、社員を疑って疑って規則でがんじがらめにして、やる気をそぎ、萎縮させてしまいます。著者は言います。
「社長になると、経理から総務まで、会社のことは全部見る権利があるものだから、つい錯覚してしまう。権利があるということと、会社を正しい方向に経営していく能力をもっているということは、まったく違うことなのだが、『俺には能力がある』と思って、あらゆるところに口を出すようになってしまうのだ(18頁)
「会社は社員に能力を発揮する場を与えてやるべきなのだ。どんなセクションであれ、そのセクションのトップとして待遇してやれば、社員自身がそれなりに考えるようになる。各社員がそれだけの能力をもっているし、また、それによって社員全体のモチベーションを高くすることができるはずだ」(169頁)
こうした結果、給料がよく、勤務時間が短く、休みが多く(日本一労働時間が短い)、なおかつ儲かっている会社が生まれてきたのです。でも、凡庸な経営者は真似できないでしょうね。真似してほしいですけど。
(中経出版2010年533円+税)
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