島田博司『学びを共有する大学授業 ライフスキルの育成』
長年にわたって大学で教育方法論などの科目を教えてこられた著者の様々な実践的試みがまとめられた好著です。教育関係者にとって明日にでもすぐに使えるチップスがたくさん収録されていて、本当に参考になります。
学生に様々な課題を与えて、自立した学習態度を身につけさせていくという著者の創意工夫には本当に感心させられます。エッセイを書いたり、課題をこなしたりしながら、学生達が成長を遂げていく様子が手に取るようにわかります。
例えば、自分のLove & Hate の短文(「充実してるのは好き。忙しいのは嫌い」「自分をもってる人は好き。わがままな人は嫌い」とか)を入れた自己紹介をしたり、自分のネガティブな口癖に対して、その呪縛を解くような文句(「めんどい」じゃないよ。「やったろ!」など)を考えることで、自分自身のことを改めてとらえ返し、未来に向かって一歩踏み出すことができるようになります。
学生の気質も徐々に変わってきているようです。学校でのいじめをかいくぐって、いじめられないキャラを演じてきたので、自分をさらけ出すことにかなりの困難を覚えている学生が多くなってきたんだなあと感じます。共通して打たれ弱くて、些細なことで学校に出てこなくなるタイプも少なくありません。
そんなガラス細工のような神経の子どもたちを、著者は実に丁寧に、愛情を持って接しているんですね。そうでないとこんなに授業のアイデアが生まれてくることはないだろうと思います。著者に教わった学生たちは幸せ者です。
私も早速本書からいくつかの課題をアレンジして授業で活かしたいと思います。学生たちの反応が楽しみです。
(玉川大学出版部2012年3500円税別)
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