上橋菜穂子『蒼路の旅人』
平和な小国の皇子チャグムが皇帝である実の父親に疎んじられ、権謀術数に巻き込まれていく中で成長を遂げていきます。これに続く『天と地の守り人』全3巻の序章にもなっています。
物語の最後にチャグムがとった決断は見事で、「蒼路」とはこういうことでもあったのかとわかります。ネタバレになってはいけませんので、これくらいにしておきますが、それにしても、ここまで壮大なスケールの物語世界を圧倒的なりりティーをもって描き上げる著者の力量には驚かされます。
著者はアボリジニ研究が専門とのことですが、きっとそれ以外にも様々な民族誌や資料、民俗資料に触れているのでしょう。しかし、そこからこの物語世界をつくり上げるのは、やはり豊かな才能のなせる技なんでしょうね。
それはともかく、早く次を読まなくちゃ。チャグムはこの先どうなっていくんでしょう。バルサはどこで出てくるのかとか、気になって仕方ないです。おそらく次の3巻では、これまでの様々なプロットもつながってきて、きっと夢中で読んでしまうことになりそうです。
(偕成社2008年945円税込)
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