榊博文『社会心理学がとってもよくわかる本』
社会心理学をゆえあって少し勉強しておかなければならないことになったので、この「イラストで見る! 優しい心理学入門」というシリーズを買いました。著者の先生を知っているからということを差し引いても、実にわかり易く丁寧に書かれた本です。
タダトモミさんのイラストも、内容をよく読み込んで多少ひねりを加えてある秀逸なもので、本書の理解を深めてくれます。
社会心理学は昔、アロンソンのSocial Animal のハンガリー語版を読んで、面接試験を受けた記憶がありますが、身近な人間行動から、様々な心理メカニズムを抽出し分析する手際の鮮やかさが印象的でした。
あくまでプラクティカルで、心理実験の結果を尊重する研究手法は、アメリカの学問の優れた特徴を集めたようなところがあります。
本書もおそらく最新の研究成果や膨大な心理実験結果のエッセンスを手際よく、門外漢にも飲み込めるように紹介してくれます。使い方によっては悪魔の知識にもなりうるノウハウもありますので、カルト宗教やキャッチセールスから身を守る方法も紹介されています。心づかいが行き届いています。
今、まちづくりや里山再生、林業再生、環境保全といったテーマで、市民と企業と大学をつなぐ動きに関わっています。その際の説得や交渉ごとのヒントも本書から得られます。時々読み返して確認しておくつもりです。
ちょっとした演劇的構造をもつ社会問題ですが、悲劇に終わらず、大団円を迎えられるよう尽力したいと思っています。
(東京書店2008年1400円+税)
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