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2012年8月 4日 (土)

榊博文『トップ営業が使う説得学』

先日読んだ社会心理学の入門書のテーマを営業の場面に応用した本です。ふつうサラリーマンは説得や交渉ごとを現場で体感的に覚えていきますが、本書はこれを社会心理学的に裏付けた本です。

営業のノウハウも、学問的な裏付けがあり、体系的に整理されていれば、いざというとき頭の引き出しから出しやすくなるかもしれません。

それにしても、社会心理学の学問的蓄積にも相当なものがあることがわかります。わが国以上に心理学に市民権のあるアメリカでも、やはりこういう感じで応用の効く営業ノウハウへの応用がなされているのでしょうか。

いずれ著者にお目にかかる機会があると思うので、そのときに伺ってみます。

それにしてもこの種の知識はキャッチセールスのノウハウとしても役立ちますので、諸刃の剣みたいなところがあります。悪魔のささやきにどうやって打ち克つのかというのは、また別に大きな問題になりえます。

本書では、相手の会社のためにという姿勢の大切さが強調されていて、なるほど、と思わされます。

「いわば、共通の問題点を見つけて、お互いがその解決に向かって協力するという姿勢が大事です。それは単に、商品を提供すればいいということでは終わりません」(198頁)

「営業マンは単なる営業マンではなく、時に経営者的視点を求められることもある、そういう時代になりつつあるのです」(同頁)

また、「説得されにくい6つのタイプ」というのも深く納得しました。それは、

①プライドが高い
②心配性である
③攻撃的である
④権威主義的である
⑤知的水準が高い
⑥人の目を気にしない

というタイプですが、なんのことはありません。ダメ大学教授やダメ経営者によくあるタイプでした。こういう人をどう説得したらいいかは、かなり難しい問題です。そもそも意見を聞く姿勢がありませんからねえ。ホント、どうしましょう。

(ダイヤモンド社2004年1500円+税)

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