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2012年8月15日 (水)

大栗博司『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』』

私のこの分野の知識は1980年代半ばの岩波現代選書あたりで止まっていて、あとは現在に至るまで新聞記事などからの断片的な知識の寄せ集めでした。

しかし、この分野の発展は実は非常に目覚しいものがあり、実際、わが国からも少なからぬノーベル賞受賞者が出ています。ノーベル賞の話題のたびに断片的知識を仕入れていてもなかなか統一的なイメージが得られませんでした。

本書はそんな私のような門外漢にも実によく分かるように解説してくれていて、本当に助かるとともに、勉強になります。6次元とか7次元とかの常識では想像できない話も巧みな比喩で説明されると、へぇー、そうなんだ、と納得できるところがあります。相対性理論と量子力学をつなぐ可能性のある超弦理論の位置づけも、本書で初めてわかりました、というか、わかったような気になりました。

少なくとも物理学の歴史的脈絡の中で、何が問題なのかということは、わかります。もちろん、問題が解けるわけではありません。解けたら物理学者になっていますもんね。

それにしても、アインシュタインからホーキング博士まで、こんなことを考えていたんだということを知るだけでも楽しくなります。これって、めっちゃロマンですやん。若い人が読めば、読者の中から物理学を志す人も出てくるかもしれません。数式もまったく出てこないので、中学生でも大丈夫でしょう。試しに娘に読ませてみます。読まんかな。

帯に10万部突破と書いてありましたが、本書がベストセラーになるのですから、わが国もまだまだ捨てたものではありませんね。

(幻冬舎新書2012年880円+税)


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