米原万里『真夜中の太陽』
古本屋で見つけて買いました。20世紀末から21世紀初めにかけて書かれた時事評論エッセー集です。思いっきり辛口ですが、どんな時でも笑いを忘れない人なので、深刻になりっぱなしで重たくなるようなことはありません。
また、笑いから入って、お、そこからこの話に展開か、という話題の意外性の面白さも味わえます。読ませ方を心得ている人なので、読者の反応を想定しながら、それを楽しみながら書いている感じもします。
それにしても、当時の小泉政権とかも、実際、福祉予算を削ったりととんでもないことをやっていましたが、そのあたりに釘を差すことも忘れていません。当時の世相やマスコミの浮つき具合は今と大差ありませんでしたが、著者はさすがにみるべきところをみていましたね。
こうやって時間がたってみると、世相の浮つき加減だけは相変わらずですね。しかし、最近は誰がどう浮ついているのかも見分け難くなってきている気がします。著者のようにちゃんと釘を差したり水を差したりしてくれる人が少なくなっているせいでしょうか。少なくとも著者は早逝してしまって、本当に残念なことです。
(中公文庫2004年533円+税)
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