群ようこ『ひとりの女』
身長170センチ、45歳、独身の玩具会社課長が主人公です。会社のアホな同僚や上司たちと闘いながら、やりたい仕事をやっていく姿は爽快です。
小説の中で次の箇所が印象に残りました。主人公セノマイコの心理描写です。
「課長に昇進したときも、喜びと云うよりもとまどいのほうが大きかった。ところが男性の場合は、仕事もそうだが社内で昇進したいという野望を持つ人も多い。それが男性というものなのだろうが、明らかにマイコに筋違いの敵意を持つ人もいる。そういうのに限って、自分では何もせずに、文句ばかりいっていじけたり、嫌味をいったり、ありもしない噂を流したりもした」(91-92頁)
いるいる。職場にはそんなのばっかり。仕事、できないんですよね、そのタイプ。職場だけじゃなくて、学会なんかにもいますねー。まったく魑魅魍魎だらけです。
小説にはちゃんとクライマックスが用意されていて、笑えます。よくできています。読み終わるとちょっとこちらも元気が出てくる小説です。
(集英社文庫2007年476円+税)
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