西加奈子『ふくわらい』
すごい小説です。主人公をはじめ一風変わった登場人物たちがつくり上げる物語世界の鮮烈な印象と、爽快な読後感というのは、ちょっと言葉になりません。
いつも思いますが、こんな微妙な事柄や意外な材料から見事な小説世界が紡ぎだされてくるんですね。ふくわらいと作家と編集者と冒険と人肉食と雨乞いとプロレスと白杖って、既視感がまったくない世界なのですが、これがなんとも恐るべきリアリティーに満ちています。言葉の力はすごいとあらためて感じさせられます。
こんな作家はなかなかいません。いつも驚かされますし、次の作品も楽しみです。
(朝日新聞出版2012年1500円+税)
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