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2012年11月11日 (日)

イザベラ・バード『イザベラ・バードの日本紀行』(上)時岡敬子訳

1878年に一人で(通訳を伴って)日本を旅したイギリス人女性の紀行文。

面白いです。
明治の初めは女性たちはまだお歯黒をしている人が多かったとか、
肉体労働者は浮世絵に出てくるように、
暑いときにはほとんど褌一つで作業していたとか、
いろんなことがわかります。
バードの本はしばしば日本の美点についての記述ばかり引用されてきましたが、
こうして通読してみると、結構辛辣な批判も書かれています。
クリスチャンとしての戸惑いもそのまま書かれていて、
それがまた、異文化・異宗教ショックの題材として興味を引きます。
「異教徒」は「神の嗣業」ではなく、神の救われし者は「何人にも教え得ないあらゆる国の群衆」ではないのだろうか?(471頁)
つまり、神の救いはクリスチャン限定ではないのではなかろうか、という疑問が浮かんでくるわけですが、それは、「このような人々に混じって暮らし、彼らの単純素朴な得、単純素朴な不徳を知ると、農夫の蓑の下で鼓動を打つ心がいかにやさしいかを知」(同頁)ったからです。
もっともな疑問です。
上巻は蝦夷までの旅ですが、途中でかなり危険な目にも遭いながら、著者は農村の貧しさに驚き、また、米沢の豊かさと美しさにも驚き、下巻ではアイヌの集落で過ごしたりもします。
下巻を読み終えたら、また書きます。
(講談社学術文庫2008年1500円税別)

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