野崎昭弘『はじまりの数学』
昔、専門学校の公務員受験指導で知能問題を教えていたことがありますが、とりわけ判断推理って数学なんですね。オイラーの定理とか出てきます。結局のところは、解法をパターン化して暗記すれば、ほぼ反射的に問題を解くことができるようになるのですが、数学が得意だった先生に聞いてみたら、結局受験数学は暗記物だよとのお答え。ふーん、そうだったんだ。
著者はもちろん、暗記ではなくて、考えることの重要性を強調します。著者が強調したいことは、
(1)大事なのは知識ではなくて、考える力である。
(2)考えるのは楽しいし、わかればうれしい。
(3)数学を学ぶことは、人間が陥りやすい「直観の誤り」を防ぐのに役立つ。
ということで、これに加えて「数学が苦手でも、がっかりすることはない」(186頁)とも付け加えています。数学嫌いを安心させてくれます。
もちろん数学の本なので、考えさせる問題は適度に含まれています。分量もちょうどよくて、これを解けなくても数学が嫌いにはならないくらいな程度です。
ギリシャ以来の数学の歴史的知識も面白くてためになります。中学生の娘のためにと思って買ったつもりでしたが、思えば娘は数学は好きなタイプでした。結局自分のために買ったことになります。
そうそう、判断推理が苦手な公務員受験生は一度手にとってみるといいかもしれません。
(ちくまプリマー新書2012年780円+税)
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