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2012年11月 1日 (木)

屋山太郎『立ち直れるか日本の政治』

2010年の本ですが、その後今に至るまで、立ち直る気配が感じられないどころか、一層混迷を極めているわが国の政治です。野田内閣になる前の本ですが、その後現内閣はますます官僚の代弁者とかしている感があります。

まだ本書刊行時には民主党のアラが今ほど目立っていなかったこともあり、本書の過半はこれまでの官僚と自民党の国家経営の批判に当てられています。それは、
「日本の得意な分野である工業技術を開発して製造業を振興し、輸出して稼いで、法人税収を上げ、その金で巨大な土木事業を進めて地方に金をバラまくというものだ。この結果、土木事業が増え、農業自体は沈下した。農業生産高はGDPの一%未満に落ちたのに、農協職員、正会員、準会員など農協関連人口は成人人口の一割を占めるといういびつな姿となった」(34頁)
と、土建業国家複合体の様子が活写されています。
具体的で説得的な数字をいくつか挙げておきます。
・社会保障給付費の国際比較では、わが国はGDPの17.7%世界の23位(トップはスウェーデンの31.3%、二位はフランスの28.8%で、19位のスペインまでは20%台です。 
・日本の港湾の数は1000、空港は98もある。
・2005年時点で天下り法人は4,600あり、そこに28000人が天下っている。2005年度だけでそこに流れる助成金、補助金、融資資金は12兆6000億円に上る。
・国交省の下水道建設費は10年間で約30兆円に上る。当然利権の温床です。そういえば我が家は下水道法を無視して合併浄化槽のままでいますが、今のところ何も言って来ませんね。罰則がありましたっけ。
といった「へぇー」と感心させられる数字が勢ぞろいです。一読三嘆どころではありません。
(海竜社2010年1429円+税)

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