福島香織『中国「反日デモ」の深層』
著者の本はいつもしっかり調べて現地での直接取材に基づいているだけでなく、いつも普通の人の視線で素直に書かれているので、実に説得力があります。これだけ取材をしていても上から目線で自慢気だったりしないところがさわやかです。
本書では中国の反体制派へのとんでもない迫害の状況や、政権内部の謀略、暗殺の凄まじさに驚かされます。チベット人たちへの暴虐行為もすごいです。
また、薄熙来の奥さんの谷開来の怖さも半端ではありません。確かに江青以来のケタ違いのおっかなさかもしれません。
反日デモの裏側の状況も活写されていて、メディアの通り一遍の情報だけではわからないことが、ちょっと納得がいきます。
それはそうと、この体制、いつまで現状のままで行けるんでしょう。いつか予想もしない形で崩れたりするのかもしれませんね。まあ、何が起こってもおかしくない国だということだけは、本書を読んでよくわかりました。その日に備えて多少なりとも心の備えができるかもしれません。
お勧めです。
(扶桑社2012年740円+税)
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