岩瀬大輔『生命保険のカラクリ』
著者はライフネット生命の副社長。業界のことをここまで正直に書いてくれるとは驚きです。
本書は、国際的にもわが国の保険が異様に割高だということや、その大きな理由の一つが支払い総額の3割から6割が手数料だということを明らかにしてくれます。
保険会社の役員報酬からセールスレディたちの給料も出ているわけですから、常識的に考えて、基本的にお得な保険なんてないということがわかります。
しかし、人生まさかの坂を考えると、やっぱり何かに入っておいた方がいいという気はします。そこでさらに、貯蓄型なんて話を聞かされると、得かもしれないと思うようになるわけです。さらに次のような心理も働きます。
「保険料を10万円払って保障のみを確保する保険と、保険料を20万円支払って、無事に満期を迎えたら10万円が払い戻される保険」(78頁)を選べと言われたら、算術的には変わらなくても、95%の人が後者を得と感じるそうです。
このあたりの心理の働きがあるから、様々な商品が出てくるというわけです。
著者は賢い保険商品の選び方も指南してくれているので、参考になります。まずは中核の死亡保険を、安い定期保険で確保し、医療保険は、コスト、リターンを冷静に把握する、とかです。いろいろと有益な示唆が得られます。
(文春新書2009年780円+税)
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