安田喜憲『森を守る文明・支配する文明』
同僚の先生にお借りした本です。書名の「支配する文明」は西洋文明です。人類はもともと森と共にあり、森を守って生きてきましたが、西洋文明が森を支配して今日の環境破壊をもたらしてきたという大筋はそのとおりです。
古代の神話や伝説の話がたくさん引き合いに出されていて面白いのですが、細部で首を傾げるような妙な記述が散見して、あまり丁寧に資料に当たっていないのではないかと思われるところがあるのが残念です。
森を守る文明から多くを学び、その知恵を現代に生かすのは必要なことだと思いますが、そのままかつての自然の神々に生け贄を捧げてきたような文明に戻らないための歯止めが必要です。その点については著者の態度は不明です。
本書は梅原猛と堺屋太一を足して二で割ったような書き方で、思いつきのよさと大味な展開がそれなりに魅力的なところなのでしょう。でも、私はパスです。
(PHP新書1997年)
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