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2013年5月 2日 (木)

亀田達也・村田光二著『複雑さに挑む社会心理学[改訂版] 適応エージェントとしての人間』

社会心理学の教科書のスタンダードな体裁をとらず、この学問自体を鳥瞰する視点に立って各トピックを大胆に編成しなおした本です。

これまでの教科書は、人間の様々な社会行動を分析する社会実験とともに総花的に羅列するところがありましたが、個々の社会行動同士のつながりは、極端にいえばアメリカの教科書の目次にそっている以外のものは示されていなかったように思われます。

著者たちはこれに対して、環境に適応する行為者としての人間を柱にして(適応エージェント)、しかし、個人レベルと社会レベルでの出来事の現れ方の違いを意識しつつ(マイクローミクロ関係)、社会行動を統一的かつ実証的に理解する視点を提供しています。

そう言うと難しく聞こえますが、要は、社会行動についての統一したものの見方を提示しているということです。そして、明快な記述で読みやすい教科書になっています。

個々の実験や研究成果も改訂で近年のものが取り入れられていて、学会の現状が文献情報とともにきっちりとフォローされているのがありがたいです。

個人的には進化心理学的アプローチを推し進めている諸研究について少し立ち入ってフォローしておきたいこともあり、文献情報がありがたかったです。

これも学生に勧めておこうと思います。

(有斐閣アルマ2010年1900円+税)

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