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2013年5月21日 (火)

日下公人『「超先進国」日本が世界を導く』

昨年出た本ですが、今読んでも古くなっていません。十分参考になります。昨年の出来事も振り返ることができていいです。

いつもながら、他の論者が決して指摘しないことがたくさん書かれています。ここでもそのいくつかを挙げてみます。

・アメリカには中世がなくて「いきなり古代ギリシアに自分たちの文明・文化の根拠を求めた。中世に価値を認めるとヨーロッパを捨てた自分たちを否定することになってしまうからである」(58頁)

・旧日本陸軍の『作戦要務令』には、指揮の要訣として「部下指揮官に対し、多いに独断活用の余地を与うるに在り」と出ています。指揮官には部下の判断を尊重し、その裁量に委ねる柔軟さが求められていました。

・「上に立つ者の責任とは、任せられるに足る人物を探すことであり、育成することである。そして、いよいよ任せたら口出しせずに、結果が悪かったら『彼を選んだのは私ですので、責任は私にあります」と、上に立つ者の『責任』をきちんと取ることである」(121頁)

いろいろと考えさせられます。この最後の引用は、本書に出てくる震災当時の菅首相をはじめとして、今日にいたっても上つ方から下々まで責任を逃れることだけがは巧みなリーダーばかりですので、なおさらそうです。

ほんと驚くほど責任というものをとらないんです。「責任は感じる」くらいまでは言うんですけどね。

(PHP研究所2012年1500円税別)

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