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2013年5月23日 (木)

日下公人『日本既成権力者の崩壊』

昨日読んだ本と同じ頃に出たものなので、重なるところもありますが、本書では、トリウム熔融塩炉による発電の可能性などが具体的に書かれています。

地下1000メートルに原子炉を作るという案は安全性についても考えぬかれていて、なかなかのものだと思います。

マスコミが遠慮して取り上げないホルミシス効果についてもきっちり書かれていて勉強になります。科学の成果はせいかとして、まずは事実として承知しておかなければお話になりません。その上でどういう政策をとるかということですね。

また本書では「行政手続法」が故盛田昭夫氏の主導で作られたことにも触れられていて(83頁以降)、そうやって条文を読んでみると、味わい深いものがあることがわかりました。

それから「セレンディピティ」(いわゆる「ひらめき」のことです)についても著者が学んだ自由学園の思い出とともに説得的に語られます。

著者の情報収集力と、独特のひらめきにはいつも驚かされますが、単純な偏差値教育を受けてきた人でないことが幸いしているんでしょう。

著者が提言する頭の使い方は以下のとおりです(42頁)。

・教科書の知識よりも実体験で得た知恵が役に立つ
・自由な勉強態度が大事である
・一つの問題について縦から横から考える癖を付ける
・自分の手作りの情報が貴重である
・知識や理論は必要になった時に自分で学べばいい
・権威に左右されてはいけない
・教条主義者になってはいけない
・友人との会話は貴重である
・放心の時間も重要である
・雑情報の中に砂金の粒がある
・閃きのためのセレンディピティを身に付ける
著者はもう83歳になるはずですが、衰えを微塵も感じさせないところがすごいです。

(李白社2012年1,500円+税)

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