岡本茂樹『反省させると犯罪者になります』
題名通りの内容です。一般的社会通念に反するように見えますが、長年受刑者の更生を支援してきた著者の主張だけに説得力があります。学生・生徒の指導に携わる人にも是非読んでほしい本です。
結局悪いことをした人に反省させようとして、反省文を書かせたりしても、表面的な反省文を書くのだけがうまくなるだけだといいます。
さらに悪いことには、そうして反省を迫ることが、自分が何をしでかしたかということから目を背けさせ、意識化に抑えこんでしまうことで、より一層過激な行動へと誘ってしまうことになるそうです。
そこで、まずはどんなに身勝手で理不尽に思われる内容でも、受刑者の言い分を聞くことから始めなければならないとのことです。
そして、正直に話してくれたら、「長い間誰にも言えなかったことを話してくれてありがとう」と
伝えることで、次第に被害者のことが意識に上るようになるそうです。
なるほど。
われわれは人前で弱さを見せたりしないような強者たるべき教育を受けてきているため、そこからこぼれないように無理をすることで、いろんな対人関係の軋轢を自ら作り出しています。
著者は最後に印象に残ることを言ってっくれています。
「私たちは『弱さ』を見せることはダメなことだと捉えがちですが、そうではなく、『弱さ』は魅力になっているのです。意気がって強く見せようとする人は敬遠したくなります。しかし弱さを出せている人には、自然と人が集まってきます。人は誰もが、幼さや愚かさや欠点を持っています。幼さや愚かさや欠点を自分自身が受け入れていない人は恥ずかしいと思うので、無理をした自分をつくる(演じる)ことになります。そうすると自分自身が疲弊するだけでなく、他者にも無理をしている空気が伝わるので、良い人間関係がつくれません。非行少年や犯罪者は、自分に自身が持てないのに、自分の弱さを隠そうとして、無理をして強がってきた人たちなのです」(205-207頁)
内田樹の著書『一人では生きられないのも芸のうち』と共鳴しあうメッセージです。
しかし、肩の力を抜くのはなかなか難しいですね。
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