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2013年7月16日 (火)

ジェイン・ジェイコブズ『都市の原理』

都市の発展は「輸入置換」が鍵だと著者の他の本で読んで気になっていたのですが、本書がその原理を詳細に説いた本です。

随所にオリジナルな着想が光り、才能のある書き手だということはよくわかります。

これを今日のマクロ―ミクロ経済学で説明することができるのかどうかは私にはわかりませんが、だれかやってくれたら喜んで読んでみるつもりです。

都市が外来の輸入品目に代えて、域内でこまごまと生産と流通を始めるのが発展の鍵になるというのは、言われてみたらそうなのかもしれません。少なくとも寂れつつある地域はそうした動きがなくなっていきますから。

著者は自身の生まれ育たペンシルバニア州のスクラントンの発展と衰退を目の当たりにしてきたこともあり、また、それ以外にも地域的にも時代的にも多くのデータを集めていて説得的です。

しかし、国家単位で考えた場合の比較生産費説なんかとは随分違ったことになっていきそうにも思えるのが、経済学門外漢の読者としての素直な感想です。

どうなんでしょう。

事実上の植民地経済で宗主国系の企業の部品生産に特化しても、現地はあまり豊かにならないという場合は、リカードウの所説も当てはまらないんじゃないかとは以前から抱いていた疑問なのですが、本書のような都市の経済原理も、マクロ経済学的には説明がつきにくい現象であることは確かでしょう。

やはりこういうことは自分で検証してみるしかないでしょうか。

もっとも、数学をやり直すことから始めると、かなり時間がかかりそうです。やる気はありますけど。

(鹿島出版会SD選書、新装版2011年2,400円+税)

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