« キャス・サンスティーン『最悪のシナリオ 巨大リスクにどこまで備えるのか』田沢恭子訳・斎藤誠解説 | トップページ | 西尾広弥『味毒三昧 探偵小説で学ぶ、大人の男の英文読解講座』 »

2013年8月 6日 (火)

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『叛逆 マルチチュードの民主主義宣言』木島一憲、清水知子訳

現代マルクス主義思想家コンビの政治的プロパガンダです。

マルクスをきっちり受け継いでいて、めっちゃロマンチストです。

勝者総取りで格差が拡がる世界的趨勢の中では、今後ますます人気が高まるかもしれません。

著者たちは「アラブの春」を高く評価していますが、今ちょっと恥ずかしいことになっています。

著者たちはスペインで広場に泊まりこんで反政府抗議活動をした経験から、人びとの連帯(「共」コモンとか言ってます)について極めて楽観的な見通しを持っているようです。

でも、そう簡単には行かないでしょう。と、労働組合の運営に苦労している身からすると思ってしまいます。

このあたりの具体性のなさと、ヒューマニズムに対する全面的な信頼については、マルクスの系譜に連なるだけのことはあります。

要するに、インテリのナイーヴさ全開です。気の毒なくらいです。

でも、わが国の進歩派には結構ウケるんじゃないでしょうか。

(NHKブックス2013年1000円+税)

|

« キャス・サンスティーン『最悪のシナリオ 巨大リスクにどこまで備えるのか』田沢恭子訳・斎藤誠解説 | トップページ | 西尾広弥『味毒三昧 探偵小説で学ぶ、大人の男の英文読解講座』 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。