ベーコン『ノヴム・オルガヌム 新機関』桂寿一訳
本書も読むのは5回目くらいですが、読むたびに感心させられます。
特に第1巻の「アフォリズム」は味わい深いです。
原書と引き合わせながら読むと、独特の良いリズムのある文体です。
生前にシェークスピア本人とみなされていたこともあるそうですので、おそらく文章家なのでしょうね。
何度読んでも感心するのは次のような表現です。
「自然の精細は、感覚および知性の精細に幾層倍もまさっている。したがって人間のあの立派な省察や思弁や論争も的外れのものなのである。ただそれに気付くものが居合わせないだけだ」(10:72頁)
この「自然の精細さ」(the subtlety of nature)に注目するところはほかに13、24あたりにもみられます。理性以前にこれがないと科学は始まらないですもんね。
ベーコンが理性に対してどこかで不信を抱いていることともあわせて、ヒュームにつながるイギリス経験論思想の重要なポイントだろうと勝手に思っています。
ところで、Kindleだと原書のベーコン著作集が100円くらいでダウンロードできてしまいます。ほんと重宝しています。
(岩波文庫1978年660円+税)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ドイツ語で読む珠玉の短編(2026.06.23)
- 山本七平『小林秀雄の流儀』(2019.07.28)
- 田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(2017.02.20)
- 天外伺朗『宇宙の根っこにつながる生き方 そのしくみを知れば人生が変わる』(2017.02.19)
- 柴田昌治『「できる人」が会社を滅ぼす』(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント