伊賀泰代『採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの』
採用基準はリーダーシップのある人です。
リーダーというのは成果を出してくれる人で、著者は「救命ボートの漕ぎ手」としてふさわしい人を思い浮かべればいいと言います。
「命さえ助けてくれるなら、漕ぎ手の性格が強引で人当たりが悪くても、無口で自分とは合わない正確であっても、私たちはそんなことを気にしないはずです」(95頁)
なるほど。
そうしてみると、わが国にはリーダーシップのある人が少ないんじゃないかという気がしてきますが、実際そうなんです。著者は言います。
「日本に足りないのは、専門知識でも技術力でもありません。地頭のいい人が足りないわけでも、日本人が勤勉さを失ったわけでもないのです。そうではなく、知識や思考力や勤勉さを総動員し、目の前の問題を解決していくためのリーダーシップを発揮できる人の数が、あらゆる場所において不足しているのです」(188頁)
著者は全員がリーダーシップをもつ組織の強さを強調します。そうした組織は「一部の人だけがリーダーシップをもつ組織より、圧倒的に高い成果を出しやすいのです」(69頁)
リーダーシップを正しく理解すると、そういうことになるのでしょう。しかし、チームで革新的なアイデアを出し、成果を出してきた経験がある人が少ないわが国の企業文化では、真のリーダーが育ちにくいという弱点があります。
まして、トップから下々までどこを見渡してもリーダーシップをもつ人がほとんどいないような組織の場合、現状を打開するには圧倒的に時間が足りません。どうしましょう。
そういうリーダーは結局他所から来てもらうしかないでしょうかね。ジョブズみたいな人は早晩追い出されるのがオチですし。
(ダイヤモンド社2012年1500円+税)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ドイツ語で読む珠玉の短編(2026.06.23)
- 山本七平『小林秀雄の流儀』(2019.07.28)
- 田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(2017.02.20)
- 天外伺朗『宇宙の根っこにつながる生き方 そのしくみを知れば人生が変わる』(2017.02.19)
- 柴田昌治『「できる人」が会社を滅ぼす』(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント