榊博文『認知の陰陽理論ー日本生れの態度変容理論ー』
自分の考えとあまり違わないような意見を聞かされた時、人はむしろ反発してしまう傾向がある一方で、自分の考えとまったく違う意見を聞かさると、それまでの態度が変わってしまうことがあるというのが、著者が何度も社会心理学的実験を重ねて得えられた結果です。
これは従来の欧米の学問的仮説とまったく異なる結果だったため、それを説明するために著者が到達したのが、副題の「陰陽理論」です。外国人タレントの受け売りに終始しながら一流を気取っているようなわが国の凡百の研究者とは一線を画しています。
本書はその間の経緯が一冊にまとまった研究書です。専門学術書ではありますが、明快な記述で、一般読者にもおすすめできます。amazonでは妙に高額な値段がついていますが、普通に注文したらまだ定価で買えます。
著者の研究はこの実験を精緻化することとあわせて、この先の具体的な分野、すなわちTV広告の分析と提言などに進んでいますが、これはこれで記念碑的労作です。
著者の『日本人はなぜ大人しい?』を読んで興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
(おうふう2011年4800円+税)
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