E・ジルソン『中世における理性と啓示』峠尚武訳
中世の哲学者・神学者はアウグスティヌスとトマスしか読んだことがありませんが、本書はイスラムの哲学者アヴェロニウスやアヴィケンナの影響にも触れて、当時の思想状況が世界的な拡がりの中で描かれています。
以前から気になっているロジャー・ベーコンやオッカム、アンセルムスといった人たちのこともポイントが押さえられていて、小著ですが、中世思想史が通観できます。
ただ、それほど読みやすい本でもありません。『神と哲学』のほうがもっとスッキリとまとまっていてわかりやすかったです。
この違いが何によるものなのかはわかりませんが、著者にとってはひょっとしたら射程が広いテーマのほうが言いたいことが言えることもあるのかなという気がしています。
次は『理性の思想史』(行路社)を読むつもりですが、これは近代の哲学まで含む思想史なので、ちょっと期待できそうです。
(行路社1982年、1545円)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ドイツ語で読む珠玉の短編(2026.06.23)
- 山本七平『小林秀雄の流儀』(2019.07.28)
- 田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(2017.02.20)
- 天外伺朗『宇宙の根っこにつながる生き方 そのしくみを知れば人生が変わる』(2017.02.19)
- 柴田昌治『「できる人」が会社を滅ぼす』(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント