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2013年11月 6日 (水)

ニーアル・ファーガソン『劣化国家』

民主主義、司法主義、法の支配、市民社会の「4つのブラックボックス」の劣化原因とその処方箋を探る本です。

法の支配ではなくて、法律家の支配になり、官僚支配になってしまったらアウトだということが特に印象的です。

ここから脱却する処方箋として、人びとの潜在能力とネットワークの力を活かすことが示唆されています。

「有効な代議政治、ダイナミックな市場経済、法の支配への支持、国家から独立した市民社会―これらが見られる場所では、人口の密集がもたらす便益が費用を上回る」(171頁)

この記述のすぐ後と83ページの2箇所でタレブの「抗脆弱性」 Antifragile という概念に言及がなされていました。確かに世界観はタレブとも共通しています。

本書はもともと講義録として書かれた内容ですので、本としてはあっさりして物足りないところがあります。この欠如感はタレブを読んで補うようにするといいかもしれません。

なお、本の装丁が劣化した古書のようなちょっと凝ったデザインで面白かったです。

(東洋経済新報社2013年1600円+税)

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