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2014年1月24日 (金)

瀧本哲史『武器としての決断思考』

本書でいうところの「決断思考」とはディベート思考のことです。

これが、武器としての教養(リベラルアーツ)の核心です。

要は、知識ではなくて柔軟かつ強靭な思考法のことです。

ギリシアの時代からある弁証法=対話術でもあります。

本書はそのディベート的思考が具体的な意思決定の問題として、たとえば「夏休み期間中に内定をもらった学生A君が就活を続けるかどうか」ということについて、メリットとデメリットを挙げる仕方から丁寧に説明されています。

複数の問題が出てきた時にはたとえば、

・X社の内定を受けるべきか否か
・大学院に進学すべきか否か
といった形に分けて考えることが説かれています(84~85頁)

なるほど。

メリットもデメリットもそれぞれ3条件に分けて、解決が可能なのか、このままでは新たな危機的な問題が生じないかどうかといった問題を摘出します。

その際の反論は「メリットとデメリットが本当に正しいかどうかを検証するために必要になってくる手順」(129頁)であり、決して相手を論破することではないそうです。このあたり確かにしばしば誤解されがちですね。

演繹法と帰納法の問題にも触れられていて、原因と結果を取り違えた議論の例なども検証されています。

「どうやって世間にはびこるデタラメ論にダマされないようになるか」がわかるようになることがディベート思考の効用だといいます。

こうしたことをトータルに学ぶことができる科目を大学のカリキュラムに揃えてみたいと思っていますが、どうでしょうね。

(星海新書2011年820円+税)

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