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2014年1月 9日 (木)

プラトン『メノン』藤沢令夫訳

新年おめでとうございます。

今年初めての更新です。

メノンを久しぶりに読み返しました。

人間は知らないものについても探求できるということを、
メノンの召使の少年を相手にソクラテスが、
幾何学の問題を問答法によって解かせながら説明するところが、
いたく気に入りました。

数学好きだったと言われるプラトンらしい記述でもあります。

で、その「知らないものについての探求」というのは
本書では「徳」のことなのですが、
徳とは知識でもなく、考え方でもなく、

つまり知性とは無関係に「神の恵みによってそなわる」(117頁)
ということになります。

ここまで突き進んだ議論だったのかと改めて感心させられました。

今まで本書を読んだ記憶では、イデア論の洞窟の比喩なんかも
ここで展開されているような気がしていましたが、それは思い違いでした。
でも、のちの中世哲学への接続あるいは継受などを考えても、
この議論はやはり面白いです。

中世思想史家のジルソンの諸説とも符合しますが、
プラトンの信仰もまた相当に真剣なものだったということがわかります。

(岩波文庫1994年540円+税)

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