『世界の大思想〈第7巻〉デカルト 方法序説 省察 哲学の原理』
必要があって現在デカルトとアウグスティヌスについてまとめているため一気読み。
「省察」と「哲学の原理」の桝田啓三郎訳が特にいいと思います。どちらもラテン語から訳され、フランス語版との異同も明示されていて便利です。
また、巻末の澤瀉久敬の解説も「省察」の中の神の存在証明がカモフラージュであるという「一部の哲学史家」の考えをきっちり退けていて、本書全体のデカルト解釈の方針が実にしっかりしていることがわかります。
デカルトの自然科学や物理学は生前からまるっきり賛同を受けず、有名な「われ思う、ゆえに我あり」についても、カトリックの側からはアウグスティヌスに書かれていることと同じだという指摘を受け、歴史の挟み撃ちにあったような状態でした。
実際のところ、批判する側にもかなり分があったのは確かですが、それにもかかわらず、デカルトが近代哲学の礎を築いたことになったという事情は、個人的にはあらためてちょっと整理しておく必要があると思っています。
(河出書房新社1965年)
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