船津衛『コミュニケーション・入門 心の中からインターネットまで』
短大のコミュニケーション論という科目の教科書選定のために読みました。
大学1年生が社会学入門を終えたくらいの知識で取り組むといい内容の本です。
もっとも、大学の科目としてのコミュニケーション論自体が何だかよくわからないところがあるので、著者にかぎらずわが国の執筆者たちは皆困っているんじゃないかと邪推します。
一昔前の比較文化論がそうで、大学のカリキュラムとしてはそれなりに収まりがよく見えましたが、案外ちゃんとした本がなくて、担当すると往生したものです(今は自分の本を使っていますが)。
というのも、コミュニケーションのツールがどんどん発展するので、教科書を書いた途端に取り残されるという事態が生じるのと、理論面で社会学畑の人がネットワーク理論をうまく取り込めていないという事情があるからです。
本書ではケータイによるコミュニケーションが論じられていますが、今日のスマホとアプリの時代にはちょっと古くなってしまっています。
この手の本としては一人の著者の手になるもので、通読しやすい点はありがたいです。ただ、ここから問題を拾いだして論じてもらうという通信教育のテキストにするのはあまり適切ではなさそうです。あと3~4冊目を通してみてからまた考えることにします。
(有斐閣アルマ2010年改訂版、1,800円+税)
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