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2014年9月17日 (水)

マルクス『ゴータ綱領批判』望月清司訳

久々の重版で入手。昔読みそこなっていた本です。

マルクスは過激な思想家なので、国家補助なんかに目もくれずに国家の解体を目指します。それも無理しなくても歴史の必然としてそうなると信じています。

エンゲルスの解説にあるように、補助金によって政治的差配をしようなんてラ・サール主義者みたいなことをやってはいけないのです(78頁)。

マルクスは天才的なアジテータでもあるので、理想的な労働環境が実現し「協同組合的な富がそのすべての泉から溢れるばかりに湧き出るように」なるなんていわれると、根拠は何も示されていないのに、そんなことも起こりそうな気がしてきます。

たたみかけるような口ぶりも、まるで預言者のようです。このあたりも彼の魅力の一つなんでしょうね。私はパスですが。

いずれにしても、マルクス本人と、その後の国家についつい期待してしまうマルクス主義者たちとの違いがよくわかる本です。

マルクスは「綱領」ではぬるいこと全然言ってません。当時も(今も)きっと相当の変人であったことだけはまちがいなしです。

(岩波文庫2014年660円+税)


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