ジョセフ・ヒース『ルールに従う 社会科学の規範理論序説』
こういうタイトルと副題なら、私の専門分野からして読まないわけにはいかないという本ですが、まあ、一般の読者には本文だけで500ページを超えるという大部ですので読み通すのがつらいだろうと思います。
ただ、読み始めると訳文がこなれていて読みやすかったのは助かりました。
本書の帯にあるように「道徳性こそ合理性の根本に存在する」というこれだけ読んでも納得したくなるような主張の本ですから、論旨も明解ですが、どういわけか退屈でした。
もう少しコンパクトで折に触れて印象深いエピソードや実例を交えて書けないものかと思いましたが、あちらの学者さんは兎にも角にも注釈だらけの分厚い本を書かないと認められないという事情があるのかもしれません。
本書の内容なら一般読者にとっては、ギルボアとトマセロを読んでおけば、十分という気がしますが、どうでしょう。
社会科学系の研究会なんかに行かなければならない場合、新進気鋭の若手が書いた意欲的な研究書ということで、本書はやはり読んでいなければ馬鹿にされるかもしれませんね。
私の場合、ど真ん中の専門ではないのが幸いでした。くわばらくわばら。
(瀧澤弘和訳NTT出版5800円+税)
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