橋本治『これで古典がよくわかる』
題名通りの本です。ほんとうによくわかります。
漢詩文が教養で、ひらがながマンガだったという時代から、和漢混淆文が出てきてようやく日本語の文章が話し言葉を活かした表現として確立されていく道筋が、実によくわかります。
で、カタカナは漢字の方に属する文字なので、漢字カタカナ混じりの文章は、漢文の延長で、教養や権威に属するんですね。大日本帝国憲法をはじめ、法律の文章はその伝統を受け継いでいたわけです。
文学的な読みの鋭さも著者ならではのもので、「あはれ」は「ジーンとくる」、「をかし」は「ステキ」という絶妙な訳語が示されています。これは学者にはできないことですが、説得力はさすがです。
源氏物語の歌の解釈の鋭さには鳥肌が立ちました(251〜252頁)。
一家に一冊どうぞ。
(ちくま文庫2001年680円+税)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ドイツ語で読む珠玉の短編(2026.06.23)
- 山本七平『小林秀雄の流儀』(2019.07.28)
- 田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(2017.02.20)
- 天外伺朗『宇宙の根っこにつながる生き方 そのしくみを知れば人生が変わる』(2017.02.19)
- 柴田昌治『「できる人」が会社を滅ぼす』(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント