ティム・ブラウン『デザイン思考が世界を変える イノベーションを導く新しい考え方』
IDEOって、みんなで寄ってたかって面白いものをデザインする会社というイメージですが、そこの社長兼CEOが著者です。
ただ、イノベーションを導くのはこれっていう定型的な思考や秘訣があるわけではありません。それがあれば苦労はしませんよね。
本書ではむしろ、イノベーションを可能にするための条件と職場の環境整備について、様々な具体例の紹介とともにかなり詳しく述べられています。その分散漫な印象もありますが、何度か線を引っ張ったところを繰り返して読むと、いいヒントが得られそうです。
なお、読んでいて、引き合いに出される概念が、ドーキンスのミームだったり、タレブのブラック・スワンだったり、あるいはミルトンの悪魔の挽き臼だったりするのはなかなかいい感じです。
現場でのアイデアがすぐに反映されるようなシステムというと、トヨタの工場での現場からの提案が思い浮かびますが、あれは本書でいうデザイン思考を先取りしていたのでしょうね。
今後の大学運営にもうまくいかせたらいいなと思いますが、職場環境の整備が鍵でしょうね。
(ハヤカワ・ノンフィクション文庫2014年700円+税)
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