早野龍五・糸井重里『知ろうとすること』
できるだけ多くの人に読んでもらいたい本です。
著者の早野さんはあとがきでこう述べています。
「原発の事故は、起きてしまったことです。しかし、そこに生じた問題について科学的に考え、アプローチする態度が身についたら、将来大きな力になる」(172頁)
この科学的リテラシーがわかりやすく説かれたいい本です。
これで、無用に放射能を怖れることなく、適切な対応をするための第一歩が踏み出せるように思います。
早野さんの発言からの引用をもう一つ。
「内部被ばくに関しては、危険なことはない、ということが納得できる状況になりました。そこはもう、決着をつけることができたとぼくは思っています。この事実を、どうやって人々の間に浸透させていったらいいか、というのは、まだこれからなんですが」(86頁)
そうなんですよね、でも、この本が多くの人に読まれることで、これから目に見えて変わってくると思います。
あとがきで糸井さんが、「よりスキャンダラスでないほう」で、「より脅かしてないほう」、「より正義を語らないほう」、「より失礼でないほう」そして、「よりユーモアのあるほう」の意見を参考にするとあります(180頁)。
これは確かに有効なリトマス試験紙になります。ツイッター上のデマの飛ばし屋さんたちはみんなこれにひっかかります。
それにしても、糸井さんの書くものはここ何年か見ていると、ますます穏やかに鋭くなっていて、アランみたいだなと感心させられます。
(新潮文庫2014年430円税別)
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