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2014年11月20日 (木)

渡辺京二『無名の人生』

いい本です。心にしみます。

序文の「人間、死ぬから面白い」はあとがきによれば、著者の言葉ではないそうです。編集者が、しかし、うまいことつけてくれていますね。

著者は大連からの引揚者なので、清心から引き上げてきた私の今はなき母の感性と近いところがあって、個人的には懐かしい思いで読ませてもらいました。

帯には「成功」「出世」「自己実現」などくだらない、とありますが、その根底にはどこか故郷喪失者という感じがあるんですね。

でも、故郷喪失者は実はどこでも暮らしていけるので、決してペシミスティックにはなりません。結構半端でない反骨心と、そこはかとない明るさがあります。

『逝きし日の面影』により、決して無名ではなくなった著者ですが、本書がどうやらかなり読まれていますので、また無名ではいられなくなったようです。

いいことです。多くの人に読んでほしい本です。

(文春新書2014年750円+税)

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